私には、我が子同然の愛してやまない愛犬がいます。正に目に入れても痛くないとはこのこと。親ばか万歳です。そんな愛犬も2月には7歳になります。まだまだ若いと思ってはいても、体の機能が少しずつ衰え始め病気のリスクも高まると言われ、健康診断も半年に1回が推奨されるシニア期に入ります。

◆健康で長生きして欲しいという思いから、以前より食事には気を配っています。我が家での愛犬にかかる費用は食費を始め、なかなかの割合になることもあります。それは我が家に限らないようで、2021年度のペット関連総市場規模によると、コロナ禍においても前年度比1.8%増の1兆7187億円と伸びているそうです。伸びている要因として、ペットへの健康意識の高まりとの見解もあり、ペットへより良いものを与えたいと考える飼い主が増えていて、健康維持に食が重要なのはペットも人間も同じ様です。

◆そして、健康志向の高まりから、栄養価が高くヘルシーなジビエのペットフードの需要が年々増えています。我が家も愛犬のフードやトリーツに鹿肉や猪肉を活用したものを利用しています。以前、愛犬と参加したマルシェでは、群馬県で鹿を狩猟からドッグトリーツの製造・販売まで自分達で行っているという出店者の方に出会いました。骨や鹿肉のジャーキー、素材を細かく粉砕したふりかけ等が並び、愛犬達も興味津々。早々に完売してしまうほどの人気で関心の高さがうかがえました。

◆また、以前テレビで兵庫県多可町のNPO法人「cambio(カンビオ)」が地元産鹿肉と地元野菜を使い、素材にこだわったドッグフードを作っているという話題を見ました。その中でも特に興味深かったのは、施設内に設置された「鹿ポスト」なる巨大冷蔵庫。殺処分後の鹿の扱いには猟師さんも長年頭を悩ませていたそうですが、これにより猟師さんは24時間いつでも仕留めた鹿を持ち込め、製造・販売する側は素材を届けてもらえる双方にとってwin-winのシステムといった内容でした。

◆農林水産省の統計では、2021年度のジビエ利用量は過去最高の2127t。5年前に比べ1.7倍に増加。この内、食肉用に加工されたのは1438tで、ペットフードに加工されたのは656t。また、「ジビエ利用拡大に向けた取組」として、令和7年度までに4000tまで増やすことを目標に掲げているという事で、これを達成するために、ペットフードの活用促進、施設設備や開発、国産ジビエ認証等の取得や交付金といった様々な支援をするとしています。ちなみに、先に紹介したNPO法人「cambio」の取組が以下のURLから見ることができます。

*https://www.maff.go.jp/j/nousin/gibier/attach/pdf/suishin-81.pdf

◆愛犬の様に守られる命がある一方、やむを得ない事情で有害駆除の対象となる動物達。摘み取らざるを得なかった命を無駄にすることなく、ペットフードや様々な形で加工することが命を活かすことに繋がり、こうした活動が『命の廃棄を無くす』一歩になるのだと思います。ジビエのペットフードを利用することも、捕獲される動物の為にも、適した捕獲器を作り使用してもらうことで一助になればと思います。こうしたジビエ活用の活動が、ぜひ新潟でも広まって欲しいです。

*鹿肉は低脂質・高たんぱくなので、腎臓疾患のある犬に与える際には注意が必要です。

 

(あかね)