久しぶりのコラムとなります。これまでは、弊社の仕事や活動内容等にからめたコラムを上げておりましたが、更新がぱったりと途絶えてしまいました。弊社の仕事や活動に直接関係ない内容でも、とりあえず発信することを優先してやっていければと思っています。今後ともよろしくお願い致します。

◆このコラムでも何回か言っておりますが、私はテレビをこよなく愛しております。基本的に家にいる時は、常にテレビが点いているような状況です。ここ最近面白かった番組は「笑わない数学」です。パンサーの尾形さんがメインながらお笑いの要素を一切排除した真面目な番組です。先日、2022年9月テレビ部門の月間ギャラクシー賞を受賞したことでも、少し話題になりました。毎回、数学界の偉人達を悩ませた難解な問題を解説してくれます。あまりにも難しく私には理解どころの話ではありません。毎回「ふーん」「へ~」という程度なのは言うまでもありません。そんな中でも「カオス理論」の回は、ちょっと興味深いなと思いました。カオス理論は、「初めのちょっとした(些細な)変化がその後の変化に大きく影響する」みたいなことの様です。1972年気象学者のローレンツさんは、この事を次の様に表現しました「ブラジルの蝶の羽ばたきは、テキサスで竜巻を引き起こすか?」(これをバタフライ・エフェクトという様です)。日本的に言うと「風が吹けば桶屋が儲かる」といったところでしょうか。

◆この「カオス理論」は、力学系の話の様なので私が思ったことと直接は関係無いですが、この世は人のちょっとした行動によって、未来が大きく変化していることが多いだろうなと思います。例えば、地球温暖化といっても温室効果ガスだけが原因とは限りません。もしかすると、何気ない我々の行動が実は温暖化に深くかかわっている可能性だってあります。

◆以前のコラムでも取り上げた外来種問題。この外来種の多くが日本に入ってきた理由を辿ると、ペット用や養殖に使用するエサ用、毛皮を目的とした商用といった理由でした。ここに、ペットして飼えなくなったから捨てた。管理が不十分で逃げ出した等の理由が重なり、今や日本全国に外来種が広まってしまいました。ここまで広まってしまった外来種を解決することは、現実的に不可能だと思います。それは、この問題が外来種という動物だけの問題でなく、環境的要因や日本が直面する社会的要因とも相まっているからです。環境的要因は、温暖化に代表されるように、今までは生息に適していなかった地域が温暖化によって生息できてしまう地域になったこと。社会的要因は、高齢化に伴う耕作放棄地の増加や増え続ける空き家問題。猟友会や狩猟等を行う人手の減少等。外来種の問題は、いまや日本が抱える様々な問題自体を解決しなければ不可能と言えます。

◆外来種問題もしかり、これまでの人類の歴史を振り返ると新しい技術が生まれると、それが形を変えていつしかブーメランの様にマイナスとなって返ってくることが多いです。如何に最初のスタートの時に未来をどう考えるか?の勝負になります。人間の頭で考えるのが限界となると、AIやコンピューターにその判断を任せないといけません。そうした時、コンピューターがはじき出す答えが、とあるSF映画のような「人間の排除」とならない様にしないといけませんね。

(こうじ)