1960年代アメリカとロシア(当時はソ連)の間で激しい宇宙開発競争が繰り広げられ、1961年ソ連のガガーリンが有人宇宙飛行を成功させたかと思えば、アメリカは1969年にアポロ計画で有人宇宙船による月面着陸を成功させました。1972年の月面着陸を最後に約50年人類は月面には降り立っていません。そんな中、最近また宇宙開発の話が賑やかになってきました。アメリカが主導するアルテミス計画では、月面着陸のみならず月面基地の建設等2030年までにはある程度の定住も視野に入った計画とのことです。また、その先には有人による火星探査なんて話もあります。なんて壮大でロマンのある計画なんでしょう。宇宙好きの私としては、今後どうなっていくのか大注目です。

◆1979年今もなおシリーズ化され続ける大人気のアニメがスタートしました。そのアニメは「機動戦士ガンダム」です。ガンダムの中で描かれている世界は現代にも通じる部分があり興味深い設定です。ガンダムの世界を簡単に説明すると「地球の人口が90億人を超え深刻化する人口問題を解決するために、宇宙空間にスペースコロニーという宇宙ステーションを建設しそこに人々を移民させていきます。移民が開始して半世紀経過した時、人類は110億人に到達。その内の90億人がコロニー市民となった・・・」と、そういう世界です。

◆ガンダムの中の世界で宇宙空間にステーションを建設することになったトリガーは、人口問題のようです。今現在の地球にはおよそ80億人が暮らしています。人口問題や食糧問題、水問題等は現実社会でも大きな問題となっています。つまり、ガンダムの世界と同じような問題を現実社会も抱えています。アルテミス計画やその先の火星探査といったものがきたるべき、人口問題の解決策の第一歩なのでしょうか?そういう視点で最初の宇宙開発の話を聞くと、単に「ロマンだなぁ」とは言えない恐怖を感じてしまいます。

◆ただ、そこはアニメの世界は、あくまでもフィクションなのですが、実は現実社会の方がもっと恐ろしいことになるかもしれません。というのも、ガンダムの世界では人口が増え続けていますが、対して現実社会はどうか?2年毎に国連が将来人口推計を発表しています。2022年7月に発表された推計によると2085年の104.3億人をピークにその後は下降トレンドに入り、2100年で103.5億人と予測されています。また、この2100年時点の世界人口は2017年の改訂時111.8億人と発表されていましたが、以降毎回下方修正が続いています。もう少し細かく見ると、日本が既に人口減少の入口に来ているように先進国の多くは、今後本格的な人口減少へ。対して、アジアやアフリカ等の発展途上国は人口増加が続き、その世界的なバランスが2085年にピークを迎えるということのようです。

*この推計には、人口NO.1の中国が2100年には人口が約半分(14億人→7.7億人)と予測されていることにびっくりしました。ちなみに、日本は7700万人と予測されています。

◆これまでの人類の歴史を長期的にみると人口増加の歴史であった中、一転して人口減少の世界になった時、世界はどうなるんでしょう?人間の社会がどうなるか、到底私には想像もできませんが、きっと新しい技術革新も沢山あるでしょうから、今よりも環境負荷の少ない世界になっていることでしょう。そう考えると、せめて今よりも動物達にとっては暮らしやすい地球になっていて欲しいと願うばかりです。

 

(こうじ)